で、5Gで結局何ができるの?現時点で考えられること7選
既に想定されている5Gで変わる世界について、具体的な技術とサービスの事例をご紹介します。
「5Gについてお前らにめちゃくちゃ分かりやすく教えたるわ【その1】」
この記事は前回の続きです。
目次
4Gから5Gによる大きな変化
- 高速大容量通信
- 超信頼、低遅延
- 多数同時接続
改めて、大きくこの3つの点が、4G→5Gで変わる大きなポイントになります。
続けて、この3つを活かした事例をご紹介。
5G実装で動画コンテンツの強化
5Gの高速大容量通信が来ると、間違いなく今後更なる強化が見込まれるのは、動画コンテンツです。
現状PCがない、インターネット回線が繋がっていない、Wi-Fiの環境が整っていない、という時スマートフォンで動画を見ることがあると思います。
4Gのみで動画をひたすら見ていると、月末に通信制限がかかり、全然動画が見れない!っていうこと、ありませんか…?
今の私が、まさにその状況なのですが、Wi-Fiを使える環境の場合は、出来る限りWi-Fiを使っておかないと、いざWi-Fiが使えないところで、4Gを使うと…
- まさかのギガ不足!通信制限かかってる!
- クッソ表示遅い!検索結果がすぐに出ない!
- Googleマップ使えない!
なんてことが起こり、非常に困ることがあります。
(私の場合、自宅にWi-Fi環境があるのに4Gを使いまくった結果なのですが…4Gの方がWi-Fiよりも早くて且つ、遅延しないのでついつい使っちゃうんですよね。)
5Gでは今までより、更に高速で大容量の通信が行えます。
4Gの時でも十分速かったのですが、それよりも更に速く、一度の通信でやりとり出来るデータ量も、大幅に増加します。(4Gの100倍と言われています。)
つまり、月末の通信制限期間を気にして出来るだけWi-fiを…なんて概念は、まず無くなります。(2020年には5G使い放題が確定)
そして、今まで見れなかったドラマや映画などの、長時間コンテンツを視聴出来るユーザーが、確実に増加します。
次第に、作り手側も高速大容量を活かし、4K、8Kのような超高画質で、長編のドラマや映画、テレビクラスの企画など(AbemaTVなど)クオリティの高いコンテンツをどんどん提供しようとします。
今まで、できるだけ視聴者の元へ届けやすく、短めの動画を作成していたYoutuberや、TickTockerなどの動画リエイターたちが、トレンド、需要を追い時間の長さを気にせず高画質、高解像度のカメラを使い編集するようになります。
そして高速大容量ということは、当然ダウンロードする速度も、とてつもなく速くなります。
2時間の映画クラスのコンテンツが、たったの1秒〜3秒でダウンロードできるようになります。
飛行機や地下鉄、田舎の山の方への遠征など、通信ができない環境というのは、どうしても存在します。
そんな時は、あらかじめ3秒でDLしておいて、ネットが無い状態でも長時間の動画コンテンツを楽しむことができます。
また、YouTubeLIVE、ツイキャス、ニコ生、といった生放送のコメント欄でよくある、タイムラグも無くなるので、リアルタイムで配信者と、コミュニケーションが取れるようになります。
VR/AR の世界も変わってくる
VR(バーチャル・リアリティ/Virtual reality)や、AR(オーグメンテッド・リアリティ/Augmented Reality)業界の可能性も、5Gにより大きく広がります。
VR/ARという分野は、ゲーム業界や、アダルト業界といった様々なコンテンツが既に多く増えており、何となく雰囲気を掴みやすいと思いますが、5Gを活かした場合、以下のような技術が更に強化されると思われます。
主にスポーツ観戦や、アーティスト・アイドルなどのLIVE環境です。
具体的にいうと例えば、野球観戦などに行った時、現実の空気感や、雰囲気を味わいながらも、テレビでは常時映ってるいない、ピッチャーの細かい表情や、バッターの表情、ベンチの様子、審判目線からの打撃映像など、球場のスクリーンだけではなく、手元のスマホや、タブレット、VRゴーグル、AppleWatchなどの、手持ちのデバイスを多数同時接続で見ることができるようになると予想されます。
自分のタイミングで切り替え、自分の見たいところだけを、一切の遅延なしで、ピックアップして楽しむことができます。
つまり球場にきている人全員が、多数同時接続しても問題ないということです。
当然これは、アイドルのライブ状況にも置き換えれて、自分の推しの子だけを追い続け、見届けることも可能です。
それができるのは、5G回線を利用し複数のカメラの映像に、会場にきている人全員のスマートフォンで同時に接続しても、全く問題なく動作出来るからです。
アップの映像や引きの映像など、随時自分の好きな画面をチェックできるマルチ画面が今後は普及し、想定されるかと思います。
韓国の「サムスン」という会社が、折りたためる液晶のスマートフォンを発表しています。
現状のスマートフォンの大きさから、持ち運びの利便性を考慮し、適切なサイズ感は保持しつつも、いざ画面を開けば大画面にできるというガラケーのようなスマホが普及するかもしれません。
現状でもマルチ画面を利用しやすい環境が、もう既に整っているということです。
5Gで変わるゲームの在り方
ゲームは今後、今までの規模を遥かに超える人数で、皆んなが同時に接続して遊べるようになります。
そして、「GoogleのStadia」が、クラウド上に全てのゲーム機、ソフトが並び、わざわざ買いに行く必要が無くなると、既に発表しています。
ゲームのソフトは、クラウド上に全て保管され、世界中のみんなが、好きな時にやりたいゲームをクラウド上から引っ張り出し、多数同時接続で、遊べるようになります。
ゲーム実況者が、楽しそうにやっている面白そうなゲームを、やりたいと思った瞬間に一瞬でアクセスできるような時代になるそうです。
ここら辺は、ゲーム会社とのお金のやり取りが、どうなるかが気になります。
パソコンやスマホゲーで「オンラインゲーム」は既に存在していますが、現状だと人が多いとめちゃくちゃ重くなります。
しかし、今後はそんな重いなんて状況はなくなり、何百人、何千人が同時に接続してもヌルヌル動きます。
今では考えられないとてつもない規模の人数で、一斉に同じ部屋にアクセスできるので、「何千人規模の荒野行動」や「超大勢で狩ができるモンハン」のような、オンラインゲームを楽しむことができるようになります。
5G大本命の「自動運転」
5Gの大本命が、自動運転と言われています。
電気自動車の開発は既に進んでいますが、車本体にスマホを搭載し、インターネットを流し込むイメージでしたが、今後は逆で「超でかいスマートフォン」を、人が乗れるようにしスマホを走らせよう!
という考え方で、研究が進んでいます。
それが、「コネクテッドカー」という名前で、中国の「BYTON(バイトン)」という会社が発表しています。
こうして、先鋭的な開発が進み、車に5G回線を受け入れる体制が整ってきました。
自動運転のレベル0~5について
自動運転の完成形を5だとすると、現状の日本の開発レベルは1を完全に突破し、現在レベル2を詰めている段階です。
更に今後5Gの技術革新で、そのレベルを徐々に解放できると見込まれています。
自動運転のレベル0
通常通りの運転です。
「アクセル・ブレーキ」「ハンドル操作」を、全て人間が操作し運転する状態。
自動運転のレベル1
「アクセル・ブレーキ」か「ハンドル操作」の内、どちらか1つが車側で自動コントロールできる状態がレベル1。
(ぶつかりそうになった時の「自動ブレーキ」や「車体がレーンを超えそうになった時「ハンドを微修正」するような機能)
自動運転のレベル2
「アクセル・ブレーキ」「ハンドル操作」その2つ両方がコントロール可能な車がレベル2。
自動運転のレベル3
もし、イレギュラーな場合が生じた時だけ、人間の手を加え操作する状態がレベル3。
レベル2の機能のモードに入るボタンを押したり、とある条件下で発動するという状態ではなく、ほとんど人間が手を触れずに、自動感知して「アクセル・ブレーキ」「ハンドル操作」を、ほぼ車の意思だけで運転する状態。
自動運転のレベル4
東京都内だけなど、一部エリアだけであれば完全に自動運転で、目的地まで連れて行ってくれる状態。
運転席はもう無く、人間は後ろに乗るだけの状態がレベル4。
レベル4には「2020年代」には到達すると言われています。
自動運転のレベル5
その国の全地域で、自動運転が可能な状態がレベル5。
レベル5到達には、2030年代と予想されており、まだ結構かかる模様です。
レベル4とレベル5の研究は、現状の4G回線だと何か通信エラーや遅延が発生した場合、大事故になるため試運転することは禁じられています。
しかし、5Gが搭載されれば「超信頼、低遅延」なので、開発も解禁され試運転可能となるので、5Gの大本命が、自動運転と言われている所以です。
車業界の新サービス
自動運転のレベルが5に到達すると、今後大手車企業の「トヨタ」は、「車を販売しない」ということを発表しております。
車の利用は、今後月額制のサービスにし、町のその辺にある車で、目的地まで最適なルートで一寸の狂いもなく、時間通り自動で運んでくれる世界が想定されています。
これらのシステムをまとめた環境を、月額制のサービスという形で提供するようです。
5Gによる医療の変化
高速大容量通信で、超高画質な画面で精密な遠隔診断が可能になります。
診断だけには止まらず、手術すらもリアルタイムで「遠隔で」行えるようになります。
オペの知識を持つ医者が、田舎の離れた場所にある病院の先生に、画面越しで指示を出し手術が可能です。
「超信頼・低遅延」なので、途中で通信が切れたり、遅延が発生することは一切ありません。
1秒のディレイも無いので、医療業界にも5Gの「超信頼」は活用されます。
また、その分野に特化した世界中の名医の腕を、遠隔操作でロボットに任せ、手術してもらうこともできます。
ロボットに任せるのは怖いというイメージもありますが、ロボットの方が良いというパターンもあります。
どんな名医にも、手ブレや目立たないミスは起こりえます。
ロボであればそんな手ブレは、一切なくなるということです。
手ブレ補正、超高画質の映像に、ズーム機能、遠隔操作、超信頼、低遅延なら全然可能だと思えますよね。
少し「コネクテッドカー」の話に戻るのですが、人が倒れ救急車で運ばれる状況の時、レベル5の環境が整っていれば、救急車が近くを通るという情報を事前に周りの車はキャッチし、その車たちは自動で勝手に道を空け、最速で患者を運び出すことが可能です。
その時も、自動運転中にロボットを使い、車内で精密な手術が受けれます。
このような、一刻を争う急ぎの患者への対応レベルは、格段にアップするので救出率を上げてくれると思います。
5Gシステムを利用した商品購入
アメリカの「AmazonGO」では、既に実装されていますが、お店に入り、スマホを特殊な機械に一瞬かざすだけで、あとは買いたい商品をカバンに積め、持って帰るだけでお買い物ができます。
一見、ただの万引き行為に見えますが、最初にかざしたスマホから情報を読み取り、決済はしっかりされています。
これは、レジに並ぶという行為が無くなり、お店が混むという状況を防ぐことができます。
大幅な時間短縮、店員との些細なトラブル、などが一切無くなるメリットがあります。
今後は、最初のスマホをかざすという行為すら無くなり、5Gを利用した専用の改札ゲートを潜るだけで自動で読み込まれるようになります。
そうなるともう店にって、商品を取って出ていくだけの、超スムーズなお買い物ができるようになります。
(実装して最初の数年は、癖付いてGOじゃないお店でそのまま店を出てしまう、万引きが多発しそうですが…。)
5G時代のさらなる未来へ
ここからはかなり未来のお話になりますが、今後はスマートフォンを持たない時代がくるかもしれません。
現状でも「ウェアラブル」「AppleWatch」「Googleglass」といった、腕時計や、メガネなどがあるように、装飾品レベルで、身体に身につけるのが主流になるかもしれません。
そもそも、個人が完全にデバイスを持たない時代が訪れるかもしれません。
というのも、今は普通に自転車や、自動車は街でレンタルすることが可能ですよね。
それはなぜ、シェアできるのかというと、街にあるからです。
町中、家の中、家具から電化製品ありとあらゆる全ての物が、液晶、タッチパネルの状態になると、スマートフォンがなくてもよくなると思いませんか。
いつでもどこでも、そこら辺にあるタッチパネルから、顔認証や指紋認証、パスワード入力で、自分のデータをATM感覚で、その場で情報を引き出し、メールや電話ができれば、スマホを持たなくて良い状態になります。
「スマートシティ」
こんな未来が今後はあるかもしれません。
5G使用にあたってのデメリット・リスク
めちゃくちゃ、便利な世界になりそうな5Gですが、5Gにも当然リスクがあります。
- プライバシー
- スコアリング
- 地域格差
大きく、これらの要素が挙げられます。
特にプライバシーの問題が、一番懸念されます。
プライバシーの問題
5G回線では上り(こちらから情報を送る方)、が大幅に良くなるので、同時多数接続が可能になります。
それは、こちらの情報をあっという間に全部送ってしまうということです。
AmazonGOの仕組みが可能なのも、スマホから私たちの情報をカメラを通して一瞬で吸い上げているのです。
吸い上げた情報は、個人情報から何まで全て企業に送られますが、ある程度フィルターをかけてそこを改善します。
例えば「20代前半の女性が、何時何分に何処を通った。」など、個人を特定する情報は、抽象的な表現にろ過して、会社へ情報を送るようなシステムです。
ですが、普段私たちが、何かサービスを利用する時、長文の許諾文を読んだあと、最後にチェックを入れて初めて利用できる「アレ」あるじゃないですか。
サラーっと流して、スクロールし、あまり理解せず「許諾のチェック」を入れて、サービスを利用した場合、法律的に、それでフィルターを全くかけず情報を送っても大丈夫ですか?みたいな許諾文だった場合、全個人情報が、反社会的組織に抜かれたとしても文句を言えなくなります。
ですので、そういったシステムを利用するときは、絶対に信用しても大丈夫な会社のアプリなのか、許諾書はしっかり読んで、どういった情報が抜かれるのか、ぐらいの最低限のことは自分の目で確認しておきたい。
我々が自身が、ある程度の危険はちゃんと見極めなければなりません。
スコアリング
5Gが主流になると、私たちのありとあらゆる、行動パターンが全てデータに残ることになります。
「これを買うと→次に何をして→これをする人は→これが好きな傾向」みたいなデータが全て取られていきます。
身近で分かりやすい例えだと、ネット通販の「この商品を買った人はこんな商品も買っています」的なシステムです。
また、一度検索して調べた結果から、その人の好みや興味を分析して、購買意欲の高い商品はこれだと、AIが判断し広告を選別するグーグルアドセンスの広告のようなイメージです。
このような様々な分析から、過去の犯罪履歴や、家賃の延滞、事故の有無、税金の支払いなども細かくチェックされ、私たちの信用度をスコア化されます。
スコアが良い人は、様々なサービスで例えば、家を借りるときに「敷金礼金を払わなくてもいい」「商品購入時の割引」「入会金の無料」などのお得な特典を受けられたりします。
逆に犯罪歴などがあり、信用スコアが低く出ている人は、良い特典は受けれません。
そもそも「サービスを利用できなかったり」「お金を借りれない」「家を借りれない」なんてこともありえます。
この人は質の悪い人間だと、AIに勝手に判断され、明確に信用度が数値化され、差別が起こり得ます。
また、冤罪パターンで、行動の傾向や分析結果、凶悪犯罪者の顔と著しく酷似しているなどで、システムやカメラの顔認証が誤認してしまい、酷い仕打ちを受けてしまうトラブルも懸念されます。
地域格差
5Gのインフラはちょっとずつ拡大されていきます。
「Softbank」「NTT docomo」「KDDI au」「楽天」この大手4社が、5Gを利用すると動いていますが、企業の資本の差で地域格差が生まれます。
というのも、資本が少ない会社は、都心を中心にある程度利益を出してから、地方へ拡大していくという流れになります。
つまり、5Gを使える環境が地方にまで届くのに時間差が出ます。(年単位)
当時のSoftbankの「iPhone」先行販売に近いです。
「iPhoneが欲しけりゃSoftbankに乗り替えろ」的な風潮です。
5Gの機能を使いたい、受けたい、となれば資本の多い企業のサービスに乗り換えるか、都心に移るか、5G環境が地方まで拡大するのを待つしかないため、ここで地域格差が生まれるという訳です。
本当に欲しい、必要な情報や、便利なサービスは、一切地方に流れてこないので、人口が余計に大都市に流れる恐れも懸念されています。
お終いに
以上で、5Gについての記事はお終いです。
ここまで読み進めていただき、ありがとうございました。
これはあくまで、今言われている「できることのほんの一部」のご紹介です。
次の可能性を見つけるのは、あなたです。